オープンソースCMS比較(1):WordPress

オープンソースCMS比較(1):WordPress

CMS選びについて書いたのが2008-2009年なので、随分空白の年月が経ってしまいました。その間、Modx、Joomla、Wordpressという3つのCMSで別々のサイトで構築/運用してきた経験を踏まえ、それらの特徴を紹介したいと思います。それでは先ずWordpressから。

概要

WordPress(ワードプレス)は世界シェア約6割という、ダントツにポピュラーなCMSです。日本でも圧倒的なシェアを誇り、不足しがちな日本語のリソースや解説も豊富にあります。

基本はシンプルな構造のブログ型CMSですが、カスタマイズによりツリー構造のサイトにすることも可能です。あの価格コムがWordpressを使っていることからも、拡張性の高さが伺えます。

僕自身は、このサイト(HtmlSpecial)をWordpressで構築しています。あまり凝ったカスタマイズをしていない(その必要も感じない)ということもありますが、費やした時間として他のCMSより圧倒的に少なくて済んでいます(^^)

サイト構造

ブログタイプのサイトは基本的に、新しい記事ほど上に来て古い記事ほど下(というかページ割で後ろ)のほうに追いやられていきます(CMSの管理画面でも同様)。よって、ニュースサイトや日々のつぶやきには良いですが、メニューから過去の記事にアクセスするような使い方は困難です。

しかし、Wordpressにはブログ記事とは別に固定ページを作る機能があります。例えば、企業であれば会社概要、商品情報、採用情報などを固定ページとしてグローバルメニューに設定し、ブログもメニューの一つとして設置すると言った事を、Wordpressなら簡単にできます(サイトのトップページをブログにするか、又は「ページ」のどれかにするかも選択出来ます)。

ただここまでは、BloggerやFC2など一部のブログサービスでも実は可能であり、WordpressのCMSとしての真価は此処から先にあります。

カテゴリー、タグ、カスタム分類(タクソノミー)

これらは何れもコンテンツの分類方法です。カテゴリーとタグはプリセットの分類方法ですが、カスタム分類は文字通りユーザーが自由に追加・設定できる分類方法です。

まあ、ブログ記事を書いているとカテゴリーだけで十分な気がしますが、商品情報なんかだと使えそうです。例えば価格コムで液晶モニタを探すとき、「ブランドで選ぶ」、「価格帯で選ぶ」、「画面サイズで選ぶ」といった事が出来ますが、これは3つの異なる分類方法(属性)を商品というコンテンツに持たせてあるからです。

ぞれぞれの分類方法はツリー構造(親子構造)にすることができます。例えばこの記事なら、Web制作>CMS>Wordpressと言った具合です。勿論テンプレート次第で、特定のカテゴリーの記事一覧をページの好きな所に設置するなどすれば、メニューを作れます。

ただ、ブログ記事のカテゴリーをメニューのように表示する場合、順番を好きに入れ替えることは出来ません(プラグインを入れたら可能。)。固定ページなら最初から可能なので、ツリー型のサイトは全部固定ページで作っても良いかも知れません。ただそうなってくると、ブログページ/固定ページの区分けの意味がよく判らなくなってきますね。

カスタム投稿タイプ

投稿タイプとは分類より更に上位の分類とでも言いましょうか。実はブログ記事や固定ページはプリセットの投稿タイプです。これに加えて、カスタム投稿タイプというものを設定できます(ただしコードを書くかプラグインが必要)。

例えば、「お知らせ」というカスタム投稿タイプを作って、「デザインをリニューアルしました」などのメッセージを、ブログ記事とは別にトップページに表示する事も可能です。あるいは、お店のスタッフ毎にミニブログのようなものを設置する事も出来ます。更に、カスタム投稿タイプ毎にテンプレートを作って別のデザインにすることも可能です。

カスタムフィールド

またカスタムが出てきました^^; フィールドというのは・・・ブログのタイトルと本文が夫々フィールドです(つまりプリセット)。よってカスタムフィールドとは、それ以外のコンテンツの領域を設定できるものです。

これも記事だとピンと来ませんが、商品なら判りやすいです。例えば、液晶モニタの商品名は「FlexScan L767」で、ブランドはEIZOで、価格は8万円で、サイズは19インチで、商品特徴はなんたらかんたらとしたら、5つのフィールドが必要になります。

これをもし、本文中に「ブランド:EIZO 価格:8万円 サイズ:19インチ 商品特徴:・・・」と書いてしまったら、商品特徴を除いた一覧表を表示したり、ブランドや価格でソートするようなことは出来なくなります。

おっと、コンテンツのソートの話は上の分類の項でしましたね^^;実際、価格コムではどちらを使ってソートしてるんでしょうね?ブランドや価格というのはコンテンツそのものであって、分類とは違う気がするんですが・・・何れにせよ、カスタム投稿タイプ、カスタム分類そしてカスタムフィールドをフルに使っていけば、価格コムのような複雑で巨大なサイトが出来上がるのだと思います。

管理のしやすさ

システム管理者が管理画面で記事を書いたり、システムをアップデートしたりするときの使いやすさについても、Wordpressはかなり優秀です。元々機能がシンプルな事もあって、管理画面もシンプルで判りやすく動作も軽快です。

システムのアップデートやプラグインのインストールは、ボタンひと押しで出来ます。後述のCMSのようにファイルをダウンロードしてFTPソフトでサーバーにアップロードなんて事は必要ありません。

また、記事中に写真を貼り付けると、自動的にサムネイルを生成しフルサイズの画像にリンクを貼ってくれます。これも普通に必要な機能だと思いますが、後述の2つのCMSではデフォルト対応しておらず、プラグインが必要です(しかも使いづらい)。

ただ、世間ではWordpressは重いという話も漏れ聞きます。何かのプラグインが悪さをしているんでしょうか?それとも、記事を書いてると自動保存してくれるんですが、その都度新たなレコードが出来てしまうからでしょうか?何れにせよ、素のシステムは重くないと思うので、豊富なノウハウの中から重い原因を特定して解決出来るんじゃないかと思います。

因みに、CMSはデータベースにテーブルを作ってそれらとやり取りする訳ですが、Wordpressのテーブル数は数個のプラグインを入れてたった12個しかありません。テーブルで思いつくのは、コンテンツ、カテゴリー、ユーザー情報・・・あたりで、12個でも少なくないと思うかも知れませんが、後述のCMSだと5倍以上ありますから(*_*;

まあ、普段はデータベースを見たりイジったりしませんが、システムが根本的に壊れたときとかサイトを引っ越すときには必要です。そういう時にテーブルが多いと、見た目煩雑だしどこをイジればよいのか判り難いのです。

テンプレート(デザインテーマ)

WordPressは圧倒的にシェアを誇るだけあって、テンプレートも数限りなく公開され、殆どは無料で使うことが出来ます。よって、クールかつ他人と殆ど被らないテンプレートを見つけられるでしょう。もっとも、ちょっと凝った構造にしたらそのままでは使えない可能性がありますが。

一方、オリジナルデザインのテンプレートを作成する場合は、HTMLやCSS及びPHPで書かれたWordpressのコマンドを知る必要があります(PHPの知識は必須ではありませんが、有るに越したことはない)。これはどのCMSでも殆ど同じで、Wordpressは特別難しくも簡単でもないと思います。

WordPressがやや特殊なのは、テンプレートファイルが多数存在しうるということでしょうか。ブログというのは、新着記事が並んだトップページ、個々の記事、特定カテゴリーの一覧、固定ページ・・・等、様々な表示モードが存在します。よって、各表示モードにおける体裁を決定するテンプレートがあるわけです。

また、ヘッダーやフッターなど全てのページで共通の部分は、それ用のテンプレートファイルを作って、各表示モード用のテンプレートに呼びこむと言った使い方も出来るので、そうすると更にファイル数は増えていきます。

といっても、こうしたテンプレートファイルを必ずしも用意する必要はなく、最少限基本テンプレートだけあればサイトは出来ます(全ての表示モードに適用される)。ただその場合、想定外の体裁になってしまう事も多いでしょうから、現実には一覧表示と個別記事の2種類くらいは必要じゃないかと思います。

WordPressのまとめ

このように、ブログを作る上で必要十分な機能が使いやすく纏まっている反面、プラグインや設定の追加でかなり凝った構造にも出来るのがWordpressの特徴と言えるでしょう。取っ付きが良いのに拡張性が高いという、流石人気No.1 CMSです。

ユーザーが多いということはサイト構築のノウハウも広がるし、多くの開発者が参入してプラグインやシステムをガンガンアップデートしてくれます。そしてまたユーザーが増える・・・という良い循環のせいで、今の地位が揺らぐどころか益々他のCMSと差を付けてしまうんじゃないでしょうか。

他のCMSにかなりの時間を割いてきた僕としてはやや複雑な心境ですが、これからCMSを使おうという人には(よほど特殊な事情がない限り)Wordpressをお勧めしますね。こうして比較記事を書くと、Wordpressの優位性がハッキリしてきました。

実はJoomlaで構築していたサイトを、今Wordpressに移植しようとしています。最初からそうしておけば・・・今までの苦労は何だったのかと(;_;

Share me!Share on Google+Share on FacebookTweet about this on TwitterShare on TumblrPin on Pinterest

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です