シンセ製作用Arduino互換機選び

投稿者: | 2019年10月10日

1年以上ご無沙汰していましたが、色々検討した結果、何かと面倒なRaspberry PIではなくArduino互換機でサンプラー/ドラムマシン的なものを作る方向で動いています。

オーディオを扱うとなると、Arduino互換機の中でも高性能なボードが必要ですが、コストパフォーマンスという点で最も注目していたのが、ST MicroelectronicsのSTM32 Nucleoシリーズです。→日本語PDF

一方、SparkFunのTeensyシリーズもシンセ系の工作でよく使われ、ノウハウやツールも豊富です。更に同社のオーディオボードはステレオLine IN/OUTに加えてヘッドフォンジャックやSDカードスロットまで備え、ピンヘッダでTeensyにそのまま載せるだけで使えるという優れものです。

そんな折、新製品のTeensy4.0が発売されました。これは従来製品をブッチギリで上回る爆速で、しかも価格は3ランク下のTeensy3.2と同程度という素晴らしさです。ただ見ての通り、ピンの数がミニマムでオーディオをボードを載せると、空いてるピンが10個くらいになってしまいます。これではドラムマシンのパッドスイッチやLEDには全く足りません。

一応ボードの裏に表面実装用の端子が10個ありますが、はんだ付けが難しそうです。しかもこれだと、オーディオボードの上にはTeensy4.0は載せられないので、下に付けて更にその下に表面実装ヘッダが付くという形になり、全体としてかなり分厚くなってしまいます。

ハイエンド Arduino互換ボード スペック比較

STM32のピンの数は圧倒的ですが、Teensy4.0の性能も捨てがたい。という訳で、とりあえず両社の製品のスペック比較を行ってみました。 基本的に上にあるほど高性能です。

製品名 CPU クロック Flash SRAM 実勢価格
Teensy4.0 ARM Cortex-M7 600MHz 2048KB 1024KB US$19.95
Teensy3.6 ARM Cortex-M4 180MHz 1024KB 256KB US$29.25
Teensy3.5 ARM Cortex-M4 120MHz 512KB 256KB US$24.95
Nucleo F446RE ARM Cortex-M4 180MHz 512KB 128KB ¥1,690
Nucleo F441RE ARM Cortex-M4 100MHz 512KB 128KB ¥1,350
Nucleo L476RG ARM Cortex-M4 80MHz 1024KB 128KB ¥1,680
Adafluit Metro M4 ATSAMD51 120Mhz 512KB 192KB US$27.5
Arduino Due互換 ARM Cortex-M3 84MHz 512KB 94KB ¥987
Arduino Mega互換 ATmega2650 16MHz 256KB 8KB ¥613
Arduino Uno互換 ATmega328P 16MHz 32KB 2KB ¥240

Teensy4.0は別格としても、他のTensyシリーズも健闘しています。対するNucleoはクロック周波数は良いんですが、SRAMが少なめなのが気になります。

更に参考のため、中華Arduino(性能は本家と同じはず)も下の方に書きましたが、想像以上にボロ負けですね(-_-;) 私が持ってるUnoなんて他より2桁、下手すると3桁非力です。ただArduino Dueは意外と高性能で、ピン数もかなり多く送料込みで安いから、短いサンプル音しか使わないドラムマシン等には良いかも知れません。

価格について

上記のTeensyの値段は本家サイトのものを表示していますが、日本で買うより2割以上安い上、エコノミーシッピングなら日本までUS$3.5で発送してくれるようです。ただ、その場合は保険が効かないので、途中で無くなったり壊れても補償が無いという事ですね。それが嫌ならUS$26程払ってUPSで送ってもらうか、日本で買うしかないと。

日本で比較的安いのがロボショップでTeensy4.0だと2,654円(税込)、送料が500円です。オーディオボードも割合良心的な価格ですが、これはTeensy3系用で、先ごろ本国で発売されたTeensy4.0用のボードは何時になったら買えるのか判りません。

夫々のショップで買った場合の値段を表にしました。

  Teensy4.0 Audio board 送料 総額
SparkFun (economy) $19.95 $13.75 $3.49 $37.19 (¥3,998)
SparkFun (ups) $23.34 $57.04 (¥6,133)
ロボショップ ¥2,654 ¥1,992 ¥500 ¥5,146

安い方から、①本家からエコノミーシッピング ②日本のロボショップから宅配便 ③本家からUPS配送となり、夫々1,000円ほど差がありますね。まあUPS配送だけで2,000円以上かかるわけですから、ボードをもう一個買ったようなもんです。

一方、Teensy以外のボードの場合、例えばNucleoのF446RE(¥1,690)を日本のchip1stopで買うと送料は¥650円らしいので、合計で¥2,340。加えてロボショップでTeensyのオーディオボードを買うとしたら、製品と送料で¥2,492ですから、総額¥4,832です。これならプラス300円でロボショップでTeensy4.0とオーディオボード両方買う方が良いですね。

シンセ製作用Arduino互換機選び」への1件のフィードバック

  1. 林遠

    失礼致しました。Amazonで日本のラズベリーパイを販売している林遠です。
    ブログを拝見しました。弊社のラズベリーパイ4bレビューブログ記事を書きしてくれませんか。
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    御返事お待ちしております。どうぞよろしくお願いします。

    返信

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