オープンソースCMS比較(3): Joomla

オープンソースCMS比較(3): Joomla

CMS比較の最後はJoomlaです。僕の電気自動車のサイトで5年ほど運用していました。実は最近Wordpressに乗り換えてしまいましたが(理由は後述)、かなり高機能で特徴的なCMSです。

サイト構成

先の記事で、WordPressがブログ型でModxはツリー型という話をしましたが、Joomlaは両方の性格を持っていると言えるでしょう。トップページには最新記事が並び、管理画面でも投稿は時系列という意味ではブログ型ですが、デフォルトでトップやサイドのメニューが階層構造になるという意味ではツリー型にも見えます。

Joomlaでは、夫々のジャンルのインデックスページに表示する記事一覧を、ブログ風にイントロを含めて列挙するか、タイトルだけを列挙するかを管理画面から操作することが出来ます。また、ブログ風にした時の体裁を1カラムか2カラムにするかまで選択できます。これは勿論トップページについても同様で、更に最新記事の何件目まではイントロを入れて、それ以降はタイトルだけにするとか、そもそもトップページに掲載するか否かも選択できたります。

メニューは幾つでも設定でき、それぞれの項目及び並び順を自由に設定できます。また、夫々のメニュー項目は他のCMSならジャンル名/分類名になるだけですが、Joomlaでは好きな表記に設定できます(その必要があるかどうかは別として)。更に、ジャンル/分類毎にどのメニューを掲載するかしないかまで管理画面で設定可能です。

テンプレート

そんな自由勝手に体裁を変更できるテンプレートとは、一体どうなっているのでしょうか?実は、Joomlaのテンプレートファイルは1つしかありません。

その中身はHTMLとCSSで定義したカラム構造の中に、例えば”left”,”right”,”footer”といった領域を示すコードを記述するだけです。そして夫々の領域にどんなのガジェット(メニューや「人気記事」や「ログインフォームなど)を表示するかを、順番も含めて管理画面で設定できるのです。

WordPressでも現行バージョンなら「メニュー」という同様の機能がありますが、ジャンルやページごとに体裁を変えるには、その分だけテンプレートファイルを用意する必要があります。しかし、Joomlaはたった1個のテンプレートファイルだけで、インデックスの体裁や表示するガジェットなどをページごとに設定できてしまうのです。

コンテンツ(記事及び記事一覧)も、それを示すコードをテンプレートの所定の場所に記述するだけです。WordPressのようにPHPで記事のループを組んだりメタデータ部分の表示を定義してやる必要はありません。1カラム/2カラムも含めて自動的にHTMLを生成してくれます。

ただ、HTMLを自動生成するということは、ユーザーはコントロール出来ないということです。勿論、吐出されたHTMLを見て、CSSで好みの体裁にして行けばよいのですが、これが無駄に複雑(ブロック階層が深い)だったりします。かつて(と言っても4年ほど前)のバージョンでは何とテーブルでレイアウトが組んであり、それをDIVに直すにはそれようのプラグインが必要でした。

システム・機能

Joomlaの高機能さ(複雑さ)を象徴するものとして、デフォルトで50個近くあるプラグインと、更に50個ほどあるモジュール(各種メニューなどガジェットを構成する要素)があります。その結果、インストール時に生成されるデータベースのテーブルは100個を軽く超えます。

Joomlaの何処がそんなに高機能なのか?僕も全ては把握してませんが、上述の柔軟なメニュー設定の他に、ユーザー投票、人気記事、関連記事などのモジュール(プラグインを含む)そして、非常に複雑なユーザー権限設定などが思い浮かびます。

プラグインやモジュールのインストール方法は、JoomlaのサイトのZIPファイルをダウンロードして、それを管理画面で指定すると自動的にやってくれます。WordPressのボタン一発ほど簡単ではありませんが、ModxのようにFTPでアップ→インストール設定と比べたら遥かに楽です。

システムのアップデートも同様の方法で可能です。また、僕の環境では恐らくWebサーバの問題で出来ませんでしたが、管理画面からクリックだけで更新する機能もあります。

しかし、これだけ高機能にも関わらず、コメント機能が標準装備されていないという不可解さ。僕はロシア人っぽいエンジニアの開発したプラグインを入れてコメント出来るようにしましたが、使い勝手が悪かった上にVar.3x以降には対応していませんでした。

画像のサムネイル自動作成やギャラリー機能もデフォルトではありません。これもプラグインを幾つか入れましたが、あまり使い勝手の良いものはありませんでした。また、WordPressやModxにはあるカスタムフィールドやカスタム分類の機能もありません。

Joomla 3xは殆ど使わずじまいなのでよく解りませんが、少なくとも2x以前ではこうした状況です。Joomlaは1x→2x→3xというメジャーアップデートを経てかなりシステムが変わったようで、テンプレートやプラグインに互換性の無い事が多く、そのため未だに1xで運用されてるサイトもあるようです。

管理画面

「Joomlaは管理画面が使いやすい」という話をよく見かけますが、バージョン2.xまではトップページに各項目のアイコンが並んでいて、一見優しく見えるからではないでしょうか?(デモページでJoomla3xとの比較が出来ます)。しかし、個人的にはJoomlaの管理画面(バックエンド)はあまり使いやすいとは思えません。

というのも、高機能だから仕方ないのですが、先ずメニューが多く階層も深くやたら複雑です。動作もかなり重く、最新バージョンでは多少マシになってるような気もしますが、僕が主に使ってきた1xの後半から2xの前半では、画像が多いと表示すらなかなかしてくれませんでした。

記事の編集画面では、作成日や投票結果、印刷やメール送信のアイコンを表示するか否かなど、実に多くの設定項目があります。もっとも、デフォルトの「グローバル設定に従う」のままで通常は問題ありませんが、そこまで記事ごとに設定する必要があるんでしょうか?

尚、WordPressやModxなら管理画面の何処に居ても任意の項目に飛ぶことが出来ますが、Joomlaでは記事を表示させたら、一旦セーブするなりキャンセルボタンを押して、編集画面から一旦出ないと他のメニューに行けません。

他にJoomlaで特徴的なのは、上述の体裁に関する設定を行うのは実は特定ページや記事のジャンルに対してではなく、各メニューの項目に対して行う事です。管理画面には”menus”という大分類があり、その中から所定のメニューを選んで夫々の項目毎に表示設定を行います。

例えば、「メインメニュー」の項目はHOMEページと各ジャンルのインデックスページにしたとします。一方、「トップメニュー」にはHome、about、サイトマップ、コンタクトという項目にしたとします。ここでもし、Homeページの体裁を夫々のメニューで違う設定にしたら、同じページなのにどのメニューからクリックされたかによって体裁が違うことになります。

そういう設定にしたことがないので実際にどうなるかは解りませんが、メニュー項目毎に体裁を設定するというのは煩雑だし、概念的にちょっと不可解な仕様に思えます。

コミュニティー

実はJoomlaはWordPressに次いで世界シェア2位を誇るCMSです。と言っても8%くらいしかありませんが^^;それでも殆どのCMSは「その他」で片付けられる程僅かなので、それに比べたら健闘していると言えるでしょう。その結果、コミュニティーはそれなりに大きく、プラグインやテンプレートの数もかなりあります。ただ、商用(つまり有料)のものが多いように思います。

ただしこれは、英語圏というかグローバルの話で、日本語コミュニティー/リソースについては実に寂しい状況です。WordPressは世界/日本共リソースが豊富で、逆にModxは世界/日本共に少ないのに対して、Joomlaは内外格差がとても大きい印象です。

Joomlaジャパンにあるのは日本語版システムのアップデートくらいだし、掲示板でのコミュニケーションもお寒い感じですね。これに比べたら、グローバル情報が少ないはずのModx日本語の方が遥かに充実しています。よって僕の場合、Joomlaについて何か調べたい時は、日本語は諦めて最初から英語で検索するようになりました。その方が時間を節約できます。

まとめ

このように、Joomlaの特徴はプログラマやデザイナーの助け無しで、サイト管理者が管理画面からサイトの表示をかなりイジれてしまうことでしょう。つまり、様々なガジェットをページ毎に設定し、出したり引っ込めたりしたい人や組織向きと考えられます。そういうサイトとといえば・・・ニュース/情報サイトでしょうか?(正にガジェット通信のような^^)。

反面、デフォルトで複雑なシステム、その割にコメントなどのコミュニケーション機能や写真の扱いが弱いなど、ブログや簡素なサイトにはあまり向きません。また、日本語のリソースがほとんど期待できないので、英語が苦手な人にも向きません。

よって、日本で運用されているJoomlaは、ウェブ制作会社がサイトを構築して、クライアント企業の担当者が日々の更新を行うというパタンが多いのではないかと推察します。僕は勿論、構築からコンテンツ制作まで自分一人で行うので、正直Joomlaの複雑さには参りました。

簡素で取っ付きがよいという点ではWordPressがコンセプト通り独壇場ですが、一方でWordPressはカスタマイズによって複雑なサイトも作れてしまうので、Joomlaのポジションは微妙な気もします。

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