CMSとは何か?

投稿者: | 2008年4月3日

CMSはContents Management Systemの略だと言っても恐らくピンと来ないでしょう。平たく言うと、ブログのようにWebフォームからコンテンツを投稿して、サイトを構築できるシステムです。大まかに言って、現在のWebサイトの9割以上が何らかのCMSで構築されていると思います。

従来のWebサイト

CMSを理解するには逆に、CMSじゃないサイトとはどんなものか理解する必要があるでしょう。

WEBサイトは元々、HTMLという形式のテキストファイルの集まりでした。プログラムの類は不要で、ユーザーはWEBサーバ上にあるテキストファイルをブラウザーを通して閲覧しているだけです。よってこれらを「静的ページ」と呼んだりします。

CMSが未だ一般的ではない90年代には、大手企業など極一部のサイトを除いて、殆どがこの静的ページ(静的サイト)だったと思います。なので前世紀に個人で「ホームページ」を持っていた人は、「ホームページビルダー」などのWEB制作ソフトでHTMLファイルを作成し(或いはHTMLの知識を持ってる人はコードを直に書いて)それをWebサーバにアップロードする、と言う作業が必要だった筈です。

CMS

CMS_flow

ローカルのブラウザで管理画面にアクセスして、そこからWebサーバ上のデータベース(DB)に向かってコンテンツ(記事や写真)を流し込みます。

テンプレートとは大枠はHTMLの体裁で、コンテンツ部分だけはDBから引っ張ってきて表示するファイルです。どのコンテンツを表示するかは、URLにパラメータを埋め込むなどして指定できるので、一見沢山のページがあるかのように見えても、テンプレート自体は数個ですみます。

ちなみにこれを、以前解説した動的ページ(動的ページ生成)と呼びます。

どちらが便利なのか?

さて、上の説明を見ると、一見通常のWebサイトの方がシンプルで簡単に見えます。確かに、ページ数が少ないとか更新頻度が低い場合は、この作り方の方が断然簡単です。対して、CMSでは図のようなサーバ側の仕組みを導入する(ツールをインストールしてデザインをカスタマイズする)必要があるので、初期コストは高くつきます。

では、ブログのように毎日(毎週)コンテンツを追加していくような、更新頻度が高い場合はどうでしょう?

普通のサイトだと、記事ごとに「HTMLを作ってアップロード」という作業を繰り返す必要があります。さらに大変なのは、新しく作ったページに対して従来のページからリンクを張る必要があることです。

まあ、Topページからリンクするだけならまだ簡単ですが、それぞれのページにインデックスが付いているような場合は、過去に作った全てのページを修正しなければなりません。

実は僕も昔はそういう作り方をしていましたが、かなりしんどいです(例えば自転車のページ) 。全部リンクを張ったつもりでも、必ず何処かに漏れがあります。途中で面倒になって放置状態になりました(^^;

これがもしブログなら、管理画面からコンテンツを書き込むだけで、リンクは自動的に生成されます。ページ更新時の作業プロセスは、過去の記事ブログについてで書いたように、CMSの方が断然楽です。

以上からいえる事は:

  • ページ数が全体で20-30個くらいまで
  • なおかつその構造が変化する(ページが追加されたり削除されたりする)ことは稀。(数ヶ月に1回くらい?)
  • 構造が変化しない既存のページの内容の修正も、月に一回くらい?

であれば、おそらく静的サイトで良いでしょう。しかし、それ以外はCMSの方が有利だと思います。という事は、世の中の殆どのサイトはCMS向きという事になりそうですね(^^; だって、一ヶ月に一度更新するかしないか、なんていうサイトに読者をひき付けておく力はないでしょうから。

実際、少し前までは「個人のサイトはブログ、大企業はオーダーメイドのCMS、 中間の中小企業サイトだけが従来型の静的サイト」と言われてきましたが、今ではその「中間」でさえもブログツールやオープンソースCMSなどによりCMS化してきているのではないでしょうか。

CMSの種類

CMSはその機能や目的によって色々ありますが、ここでは次のようにカテゴライズしてみました。

  • ブログ型:WordPress,MovableTypeなど
  • コミュニティー型:XOOPS,Joomla,OpenPNEなど
  • ウィキ型:MediaWiki,PukiWikiなど
  • ショッピングカート:ZenCart,EC-CUBE,onCommerceなど
  • ディレクトリ型:MODxなど

ブログ型

勿論ブログを作る為のCMSです。基本的に日記がコンセプトなので、時系列の概念が重視されます(記事が新しい順に並んだり、月別アーカイブがあったり)。サイト構造など気にせず、何百個でも記事を追加できますが、その裏返しとして古い記事は埋もれてしまう事になります。

ただ、テンプレートを工夫することによって、一見ブログではない普通のサイトのように作ることも出来ます。 CMSの中では比較的昔から使われているので、カスタマイズのノウハウが蓄積されています。関連記事⇒用語解説「ブログ」

コミュニティー型

掲示板やポータルサイトやSNSのように複数の人が集まるネットコミュニティーサイトを構築するCMSです。

ニュース、Q&A、ユーザープロフィール、ブログなど多機能であるが故に、CMSによって出来ることや向いていることに多少違いがあります。また、比較的デザインの自由度は低めだったり、カスタマイズの難易度が高いような気がします。

ウィキ型

Wikipediaで有名な辞書型のサイトを構築します。ブログやコミュニティーのように記事の新しさは重要ではなく、むしろ蓄積した知識をいつでも引き出せるノウハウ集・まとめサイトのような性格を持ちます。

また、一つの記事(用語の意味)を複数の人が編集できるのが特徴です。(それゆえにWikipediaでは、政治的に微妙な問題などは、編集合戦になることがあります)

ショッピングカート

これはまさにネットショップを構築する為のCMSです。商品一覧⇒商品詳細⇒カートに入れる⇒決済へ、と言った一連の流れが組み込まれています。勿論、個々の商品には、写真や説明のほかに、ジャンル、価格、ポイント、お勧め!と言った属性を登録できます。

ディレクトリ型

これは僕が勝手につけた名前ですが、平たく言えば従来型のサイトを構築するのに適したCMSです。

言い換えると、ブログのように記事が何百・何千と際限なく増えていくのではなく、サイトの構造が比較的シンプルで人間の目で見渡せる位のページ数のサイトです。といっても100ページくらいは大丈夫だと思いますが。

その意味では、Dreamweverやホームページビルダーのようなツールでサイトを制作・管理するイメージに近いのですが、データベースと利用するのでファイルの数が少ないとか、リンクが自動的に貼れたりする利点があります。また、CMSの中では比較的デザインの自由度が高いのも特徴です。

カテゴリー: CMS

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